やばいやばいやばいやばい。
海賊の前には絶対出てきちゃダメだってお父さんに言いつけられているのに!
よりにもよって赤髪って…
…強いんじゃなかったけ??
…冷や汗まで流れてきた!










はエースの真後ろに隠れたまま、じっと動かないでいた。
ピリピリとした緊張感のある空気が流れる。
きっと先程からこの空気が流れていたのだろう。
みんな赤髪から目が離せないでいたのだろう。
なのに私ったらなんて空気の読めないことを…!!

「もォ見られちまってるよい…」

隠れても無駄だ、とエースの隣に来たマルコに呆れ顔をされた。
きっとエースも呆れた顔をしていると思う。
それでも私はとんでもないことをしてしまったと確信しているわけで。
マルコを見上げて、彼にだけ泣きそうな顔を披露した。

すると突然、赤髪が笑いだした。

「ぶわっはっはっは!!!」

びっくりして何事かと私は泣きそうな顔をもっとひどく歪めた。
お父さんから顔を出すなと言われている理由は分かっているつもりだ。
私だけじゃなくて、船員みんなにも危険が及んでしまうから。
はエースのズボンのはじをぎゅっと握りしめた。

「いつからこんな可愛いお嬢ちゃんを乗せてるんだ、なァ、エース」
「…」

ば、ばれてる!!!
やっぱり隠れるのが遅かったんだ…。
は先程より一層強い力でズボンを握った。

「なんだエース、答えられないのか?」
「…あぁ」

後ろからだから実際はわからないが、きっと赤髪とエースは睨みあっている。
そしてエースは私を隠そうとしてくれている。

「じゃァ、マルコ。お前は」
「答えられねぇよい」

マルコまで…。
あぁ、本当に私はなんて失態を犯してしまったのだろう。

「結局オヤジに聞くしかないのか、なァオヤジ。このお嬢ちゃんはいつから乗ってんだ?」
「バカなボウズめ。生まれた時からだからもう18年も前だ。グララララ」
「「お、オヤジ!」」
「大丈夫だ、息子たち。このボウズはをどうにもしねェ」

グラグラと笑うオヤジを赤髪も含め、全員が見つめる。

「18年って、うそだろ?」
「うそじゃねェ。ちゃんと俺が育ててきたんだ。」
「よく隠れてたなァ」
「バレちゃしょうがねェ。、こっちへ来い」
「えっ…」

は戸惑った。
まさかこの場で出てきていい、むしろ出てこいと言われるとは思っていなかったからだ。
おそるおそる顔をエースの後ろから覗かせると、目の前には優しく微笑んでる赤髪が見えた。
その隣にはグラグラと笑っているお父さん。
みんな見ているし、なんだか出て行きにくい雰囲気だ。

、」

そのまま固まっていると、エースに優しく背中を押された。











姫、かたまる。

「ほら、行って来い」
「…エースも行こう」
「はァ?」