分厚いカーテンの隙間から差し込む一筋の光。
その朝の木漏れ日がちょうどの顔に差し掛かった。

「ん、まぶし…」









すごい幸せに寝れた気がする。
なんて寝ぼけた頭で考えながら上半身を起こす。
しかし首にある重みのせいでそれができなかった。
不思議に思い、横を見るとエースがいた。
まだぼーっとしていた頭が急に冴えた気がした。

「え、えーす???」

エースと寝ているという現実に意味がわからず、混乱する。
えっと、冬島について、エースとでかけることになって。
それでラパーンを探してたら追いかけられて、逃げ切ったら夜になってて。
そうだ。
それでこの小屋…で…どうなったんだっけ?
もう一度横目で確認してみるが、やはり横にいるのはエース。
しかも抱きしめられる形のような気がするのは否めない。
でも。

「あったかい…」

自分の体温より暖かいエースの体温にまたもや身を委ねそうになる。
でもこうしちゃいられない。
きっとみんな心配してるだろうし、少しでも早く帰らなくては。

「エース、起きて」

遠慮がちに声を出してみるが、エースはぴくりとも動かない。
こちらを向いている彼になんだかこそばゆい気持ちになってきた。
はそのまま黙ってエースの方へ向き直した。

「えーす…」

誰にも届かないくらいの声で彼の名前を呼ぶ。
長いまつげにそばかすの肌。
抱きしめられている腕も胸板も厚くて、普段はあまり男女を感じたことはなかったけれど、それを感じてしまった。

「かっこいいなぁ」

思わず本音がこぼれてしまった。
普段は絶対に言わないこと。
思わないようにしていること。

でもやっぱり。

「こうしちゃいられないんだった!」

は彼の腕からするりと抜けた。
辺りを見渡すと無造作に置かれた自分の服。
エースが脱がせてくれたのかな、雑だな、なんて思いながらまたそれを着る。

ん?
ちょっとまて。
エースが脱がせた?

「きゃああああ!!!」

「お、おい!どうした!!」

突然のの奇声によって飛び起きたエース。
安心して寝てしまっていたから彼は何が起こったのか全く把握できず、キョロキョロとしている。
それも真剣な顔で。
そんな彼の目にとびこんできたのは真っ赤な顔で少し涙目になったの顔。

「何かあったのか!?」

すごい剣幕で辺りを見ながら、それでもエースはこちらに来てを抱きしめた。

「痛いとこはないか?怖かったのか?大丈夫か?」
「だ、大丈夫…」

び、ビックリした。
よくよく考えれば別に裸や下着になったわけじゃなくて、薄着になっただけだし、何も恥ずかしがることはなかったんだけど。
エースに服を脱がしてもらたって考えただけでこんなにも恥ずかしくなるなんて。

「別に何もないから大丈夫…」
「?…あぁ…???」
「と、とにかく早く帰らなきゃね」
「そうだなー腹も減ってるし行くか」

まだバクバクしている心臓を抑えつけるようには服を着ていく。
エースは何もなかったことを知ると、あくびをしたり伸びたりだらだらと支度を始めた。









姫、叫ぶ。

いままで意識しないようにしてたのに…。