あれからエースはのいない所で多大な非難を浴びた。

そしてついた冬島の気候は夏だった。
しかし夏といっても冬島の夏はまったく暖かくはない。
それどころか雪が寒々と厚く降り積もっている。

「寒すぎー!!!!!」

は島に降りた瞬間に叫んだ。








「エース、寒いよ寒いよ死んじゃうよー」
「いやいやいやいや、大丈夫だ」
「そんなんじゃ死なないよい」
「マルコたちはあったかいコンビだからわかんないんだあ」
「「…」」

あったかいコンビって…
マルコはこんなことを言われてもへらへらと笑っているエースの横顔を見て落胆した。
こいつと一緒にされたくはない、と。
確かにエースは火人間だし、自分は不死鳥だ。
あったかいコンビ…だけれども、も十分暖かい格好をしていると思う。
はもふもふの耳あてに手袋、あったかそうなダウンを着てこれでもかというほどの厚着をしている。
変わってエースとマルコはいつもの軽装にコート1枚というシンプルな格好。
きっと体温に少しの差はあるかもしれないけど、この洋服の量を比べたら対して変わらないであろう。
…みんな過保護過ぎだ。

「ほら、
「きゃ!!」

突然エースに投げられた雪玉。
それに当たったは大声をあげる。

「そんな冷たいの投げないでよう」

そして力ない声でエースに反発する。
そんな可愛い可愛い俺らの妹は、可愛がられすぎて少々わがままである。

「姫ー!」
「あ、サッチーあったかいココアちょうだい!」
「はァ!?いま出てきたばかりだろ」
「それより姫あそぼー」
「なんでエースでもないのにハルタは元気なの!」
「俺がなんだって?」
「いひゃいいひゃいひょめんにゃはい」

先に降りて偵察してきたイゾウ率いる16番隊が言うにはここはとてつもなく平和な街らしい。
それを聞いた瞬間がお出かけしたいと言い出したからこうやって島に降りてきたものの、当の本人は寒さで行く気を失ってしまったよう。
いち早く船に戻りたそうな顔をさっきまではしてたけど。

「よーし今度はよけろよー」
「エース雪投げるのやめてー」
「姫ー」
「なにーハル…」
「えいっ」
「きゃ!みんなやめてよーう」

おバカな隊長たちがなんとか引きとめた。
別に俺的にはが船からでない方がめんどくさくはないけど、何せ生まれ育ったのが船の上だからな。
少しは陸の上も歩かせてやらねぇとよい。

「んじゃ、行くよい」
「うん!って、え!?」
「え?」
1人じゃないの!?」
「「姫1人ー??」」

が大きく口を開く。
それ以上にエース、ハルタ、サッチ、ビスタ、イゾウ、そしてこの俺までもが大きく口を開いた。

「な、何言ってんだよい」
「だってものすごーく平和な街なんでしょう?」
「だからって一人でいいわけないじゃない」

いつもは優しくからかうハルタにまで睨まれた
バカじゃないのとまで言われてタジタジになる。
しかしこうゆう時にが甘える先はヤツのとこと決まっている。

「エース?エースはいいって言ってくれるよね?」
「…」

エースは人一倍に弱いからなァ。
だからここぞとばかりに甘えられるんだ。
エースからしたら惚れた弱みってやつだけど、今回のこれはまた話が別だろい。

「ダメだ」
「えーエースまで」
「んじゃ俺と2人で行こう、ならいいよな?」
「えーエースと?」

よかったエースがそこまでバカじゃなくて。
こんな世間知らずのお姫様を一人にさせたら危なすぎるからな。
しかもオヤジの船に乗ってるなんてバレちゃあいけねェのによい。

「嫌なら船に戻る」
「えー!エースのケチんぼ!!」
「どうする?2択だ」
「……じゃあエースと行く…」
「いい子だ」

ガシガシとエースに頭を撫でられてるはまだ不服そう。
それに周りの連中はエースに対してのヤジがうるせェけど、まァあいつがいりゃ大丈夫だろうよい。





姫、撫でられる。

「早く戻ってこいよい」
「うん、マルコいってきます!」